UAEは5月1日、石油輸出国機構(OPEC)およびより広範なOPEC+アライアンスからの正式脱退を発表した。1967年にアブダビとして加盟して以来59年にわたる協調生産体制からの離脱で、OPECを脱退した産油国としては過去最大規模となる。
UAEのスハイル・アル・マズルーイ(Suhail Al Mazrouei)エネルギー相は「今回の脱退は、OPECおよびOPEC+の友好国への影響が最小限となるタイミングを選んだ。価格への影響も、友好国への影響も最小限に抑えられる」と述べた。UAE政府はWAMを通じた声明で「生産政策と現在・将来の生産能力の包括的な見直しを経た、国益に基づく決定」と説明している。
なぜ今、脱退なのか
UAEの脱退は突然の決断ではなく、長年にわたる生産割当をめぐる不満が背景にある。UAEのADNOC(アブダビ国家石油会社)は10年にわたる大規模投資(総額1,450億米ドル)により、日量最大480万バレルの生産能力を達成しているが、OPEC+の割当制度のもとでは実際の生産量が能力の約30%下回る水準に抑えられてきた。2021年のOPEC+交渉でも、UAEはより高い生産基準値を要求して交渉が難航した経緯がある。
また、イランとの軍事衝突が続くなかで、OPEC加盟国であるイランからミサイル・ドローン攻撃を受け続けたことも、脱退の流れを加速させたとされる。ホルムズ海峡の封鎖によりUAEの石油輸出が大幅に制限されたことも、生産割当制度の枠内に縛られることへの疑問を深めた。
脱退後の展望
OPEC脱退により、UAEは生産量を独自に決定できるようになる。2027年までに日量500万バレルへの増産を目指しており、ホルムズ海峡を経由しない輸出ルートの多角化も進めている。ただし、海峡が現在も事実上閉鎖状態にあるため、短期的な増産効果は限定的で、実質的な市場への影響は2027年以降になるとみられている。
UAEは脱退後もOPECとの対話は継続するとし、グローバルなエネルギー市場の安定への貢献姿勢は変わらないとしている。
©︎ WAM / Gulf News / CNBC