ドバイで快適な生活をするために知る「イスラム文化」

移住前に知っておきたい文化・生活・ビジネスのリアルを更新!

UAE(アラブ首長国連邦)はイスラム教を国教とし、法律や公共マナー、祝祭日など社会のあらゆる面にイスラム文化が反映されています。そんなイスラム教が国の宗教であるUAE、ドバイで外国人である私たちが快適に暮らすための基礎知識をまとめてみました。文化背景を知ることで、日常生活の驚きや発見も楽しいものになるかもしれません。

目次

UAEでのイスラム教の位置づけ

先述した通り、UAE(アラブ首長国連邦)ではイスラム教が国の宗教として正式に定められており、憲法や法律はもちろん、公共の場でのマナー、国民の祝日やカレンダーまで、生活のあらゆる場面にイスラムの教えや文化がしっかり根付いています。

イスラム教概要

イスラム教は「アッラー(Allah:神)」を唯一絶対の神として信じる神教であり、7世紀に預言者ムハンマドが伝えた教えに基づいて、信仰のあり方だけでなく日常生活のすべてが成り立っている宗教です。イスラム教徒(ムスリム)にとって、宗教は朝起きてから夜眠るまで、生活のあらゆる瞬間に深く関わる存在となっています。

UAEにおいても生活のあらゆる側面にイスラム文化がしっかりと反映されているため、ドバイで暮らす上では、イスラム教の基本的な考え方や価値観を理解しておくことが現地での生活をスムーズにし、周囲の人々との良好な関係を築くために非常に重要になります。

イスラム教の信仰生活の中心には「五柱(ごちゅう)」と呼ばれる5つの基本的な信仰行動があります。これらは単なる宗教的な儀式や義務、ムスリムの信仰だけでなく生活の一部そのものとなっています。

  1. 信仰告白:アッラーを唯一の神、ムハンマドをその使徒と信じること。
  2. 礼拝:1日5回、決まった時間にメッカの方角へ祈ること。
  3. 断食:ラマダン月に日の出から日没まで飲食を控え、感謝と信仰を深めること。
  4. 喜捨:財産の一部を貧しい人に分け与えること。
  5. 巡礼:可能な人は一生に一度、聖地メッカを訪れること。
ドバイ最大のモスク「ジュメイラモスク」

ラマダン期間の生活と外国人が知っておくべきポイント

ラマダンとは

ラマダン(断食)は、イスラム暦の9番目の月にあたり、ムスリムが「日の出から日没まで飲食や喫煙を断ち、精神を清める」期間です。2026年のラマダンは、2月17日頃から3月19日頃までの約1か月間頃と予想されています(天文観測により前後数日ずれる可能性あり、それに伴いドバイの祝日も直前に決定されます)。

日中は多くのレストランが営業を控え、日没とともに「イフタール(断食明けの食事)」が始まると街が一気に活気づきます。ショッピングモールも深夜まで営業し、夜の街が昼のように賑わうのが特徴です。

外国人が気をつけるマナー

  • 公共の場での飲食・喫煙禁止(または自粛) → 日中の公共エリアでの飲食・喫煙は控えましょう。職場では「非断食者用の昼食スペース」が設けられている場合もあります。
  • 服装への配慮 → ラマダン中は特に、露出の多い服装は避けましょう。肩と膝が隠れる服装が基本です。
  • 公共マナー → 音楽や騒ぎ声を控える。公共の場でのスキンシップ(ハグ・キス)はしない。
  • チャリティ活動は許可制 → 無許可の募金・寄付行為は違法となる場合があります。

ラマダン中、UAEでは勤務時間が短縮され、政府機関は1日6時間前後、民間企業も同様に調整します。日系企業もこれに合わせ、会議や商談を午前中や夕方以降に行うことが一般的です。日中は断食中の人に配慮し、オフィス内での飲食を控える慣習もあります。本来イスラム暦の週末は金曜と土曜で(ドバイは土日が週末に変わりました)、金曜正午の礼拝が重視されるため、特にスケジュール調整が必要かもしれません。日没後には「イフタール」と呼ばれる食事で断食を終え、ビジネスの場でも宗教文化への理解が求められます。

また政府機関やレストランなどはラマダン期間中、営業時間短縮、夜間のみ営業、一部メニュー変更などがあるため利用の際には事前に確認することをおすすめします。

ドバイ在住日本人が直面しやすい文化のギャップ

日本ではあまり馴染みのないイスラム文化の価値観は、日本人にとって「驚き」「戸惑い」を感じる部分も多いものです。ここでは、在住日本人がよく経験する“文化の壁”とその対処法をご紹介します。

ギャップ①:時間の感覚・生活リズムの違い

ドバイの人は夜型生活が多い印象です。特にラマダン中もですが、夏も日中は暑いため、日没後に活動が始まり、昼間は静かで人が少なくなることもあります。また、「礼拝の時間(サラート)」が1日5回あり、その間は業務や会話を中断する場合もあります。日本のように「時間厳守」が最優先とは限りません。

「時間=人間が管理するものではなく、神の導きによるもの」と捉えられることがあります。予約などが10〜15分、数時間遅れる、なんてこともありますが焦らず対応することが大切です。

  • 礼拝時間前後はタクシーが捕まりにくいことも
  • ショッピングモールは夕方以降から夜間まで混雑する
  • 会議や打ち合わせは、礼拝時間を避けて設定する
  • 予約時間前に確認の連絡をする

ギャップ②:公共の場での振る舞い

イスラム文化では男女間のスキンシップや親密な態度を公共の場で見せることがありません。夫婦であっても人前でハグやキスはしません。また、女性への視線や接触は慎重に扱われます。ビジネスシーンでも、初対面の女性に握手を求めるのは避けるのが無難です。
また、飲酒に関してもイスラム教では禁止されていますが、ドバイではライセンス制でホテルやレストランに限りアルコール提供が認められており、またIDを提示すると個人でも購入が可能となりました。

  • 握手する際は、相手が手を差し出すまで待つのが無難
  • 公共の場での愛情表現は控える
  • 公共の場での酩酊は厳禁

ギャップ③:宗教行事など

ラマダン明けには「イード・アル=フィトル(Eid Al Fitr)」という祝日があり、家族・友人同士が集まり、贈り物やお菓子を交換します。日本の「お正月」に近い感覚ですが、会社や学校が1週間程度休みになることもあります。

また、モスクの近くで礼拝の呼びかけ(アザーン)が大音量で流れることに驚く日本の方も多いです。これは1日5回毎日、街全体で聞こえる礼拝者に向けた神への招きです。

  • ラマダンやイード期間中は公共機関や銀行が閉まるため、事前に手続きを済ませる
  • 祝日は現地の人に「Eid Mubarak!(イード・ムバラク/おめでとう)」と挨拶すると好印象
  • イードなど祝日期間はショッピングモールなどで大規模なセールや花火なども開催されます
  • アザーンは「生活の一部」として受け入れる

まとめ

ドバイは「イスラム文化を大切にしながら、世界をあたたかく迎える街」です。伝統と最先端の技術が共に息づき、多様な国の人々が調和して暮らしています。最初は「宗教」や「価値観」「時間の感覚」などに少し戸惑うかもしれませんが、理解し寄り添うことで、ドバイでの毎日はきっと豊かで刺激に満ちたものになります。イスラムの礼儀や思いやりの文化に触れ、世界中の人々と出会えるドバイでは、自分の世界が自然と広がり、新しい価値観や生き方を見つけるきっかけにもなるでしょう。

ドバイ生活について、ご不明点やご質問がありましたら下記よりいつでもお問い合わせくださいね。

\ この記事を書いた人 /

山田あきと
ニュージーランドで18年育った英語ネイティブ。国際大学・APUで学び、在学中にマレーシアで飲食店立ち上げを経験。卒業後はサイバーエージェントグループに入り、翌年から社会課題に向き合う事業を展開。2022年からドバイに移住し、生活情報の発信と相談サポートを行っている。

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