海外といえば、日本には馴染み無い「チップ文化」のイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。特にアメリカでは、レストランやホテル、タクシーに至るまで、あらゆる場面でチップを渡すのが当たり前とされています。そのため、「ドバイでもチップは必須なの?」と疑問を感じ方も少なくありません。
実際、ドバイは観光都市として世界中から人が集まるグローバルな街であり、サービス業も多様です。本記事では、ドバイのチップ事情をシーン別に解説します。旅行だけでなく、移住を検討している方にも役立つ内容です。

AYA
元エミレーツ航空CA。大学卒業後、PCサプライメーカーの営業職に就職。その後オーストラリアへワーホリ、フィリピン英語留学を経てエミレーツ航空CAへと転職。ドバイを拠点に世界中を飛び回る生活を7年、訪れた国は80カ国以上。現在は、生活情報の発信などを行っている。
ドバイのチップ文化は?
結論から言うと、ドバイでは日常生活でチップは必要ありません。ここでの不要と言うのは、アメリカのようにどこへ行っても会計時にチップを加算した額を支払う、と言うことを指します。
ドバイは中東の中でも特に国際色豊かな都市で、世界中から観光客やビジネスマンが集まるグローバル都市です。アメリカやヨーロッパのような「義務的なチップ文化」と比べると、ドバイではもう少し柔軟で、「気持ちを表すもの」という側面が強いのが特徴です。
実際、アラブ首長国連邦(UAE)はイスラム文化圏でチップの習慣が強く根付いているわけではありません。しかし、UAEの中でもドバイは欧米の影響も大きく、観光業が非常に発展していることから、ホテルやレストラン、タクシーなどでは「ある程度のチップ」が期待されるシーンも存在します。
とはいえ、「絶対に必要」「払わないと失礼」といった強制力のある文化ではなく、あくまでもサービスに対する感謝の気持ちとしての位置付けです。これは、日本人の感覚にも比較的近いため、戸惑いは少ないかもしれません。
ドバイでチップが必要な場面と相場
ドバイにおいて、チップが「期待される」「推奨される」具体的な場面と相場をまとめました。これは欧米からの観光客がチップを払っているので、サービス提供側も期待することが増えたのだと考えられます。
現金の場合はコインで渡さずお札で渡すのが一般的ですので、お札の最小額が5AEDとなります。キャッシュレス決済が多いので、チップを直接渡す場面があるときは現金を持っておいても良いかもしれません。
ホテル
高級ホテルでは、ポーターやルームサービス、コンシェルジュなどに対してチップを渡すのが一般的です。
- ポーター:スーツケース1つあたり5〜10AED(約200〜400円)
- ハウスキーピング:1泊あたり5〜10AED程度
- ルームサービス:10%前後(サービス料に含まれていなければ)
レストラン・カフェ
多くのレストランでは、メニュー価格または会計時に10〜15%の「サービスチャージ」が自動で加算されていることがほとんどです。その場合、追加でチップを払う必要はありません。
ただし、サービスチャージが含まれていない場合や、サービスが非常に良かった場合には、5〜10AED程度のチップをテーブルに置く、もしくはクレジットカードの支払い時に上乗せするのがスマートです。特定のスタッフに渡したい場合は、サービス料が必ずしもスタッフに直接渡るとは限らないため、追加のチップを喜んで受け取ってくれると思います。

この場合、サービスチャージや消費税が全てメニュー価格に含まれています。
タクシー
ドバイのタクシーはメーター制で明朗会計。チップは必要ありません。もしも渡したい場合は、お釣りの端数を切り上げて渡すのが一般的です。(例:料金が27AEDなら30AED渡すなど、2〜3AEDをプラスするイメージ)
美容院・スパ
美容師やエステティシャン、マッサージ師などへのチップも「任意」ですが、満足度が高ければ5〜10%をチップとして渡すのが一般的。
スーパー・配達員
スーパーでレジの方にチップを渡す必要はありませんが、重い荷物を車まで運んでくれたスタッフや、フードデリバリーの配達員には2〜5AED程度のチップを渡すと感謝されます。酷暑の中の配達にはペットボトルのお水をあわせて渡す方もいらっしゃいます。
他にも、ツアーに参加した場合のガイドや運転手に渡す場合もあれば、専属で何かサービスをしてもらった時に渡すことが多いです。また、渡さなかったから何か言われる、などもないので、ドバイでのチップは「サービスに対する対価」とお互いが捉えている印象です。
迷った時の判断基準
「この場面ではチップを渡した方がいいのか?」「相手が失礼だと感じないだろうか?」
悩む場面もあると思います。「無理にチップを渡す必要はないが、渡して損はない」が無難です。また、多くのレストランやホテルではすでにサービス料が含まれていることが多いため、レシートを確認する習慣をつけることが大切です。
「チップを断られたらどうする?」
まれにですが、相手がチップを受け取らないケースもあります。これは、特定の職場では「チップの受け取り禁止」のルールがあるためであったり、日本のようにチップ文化がなく受け取りに戸惑う文化背景の方もいらっしゃいます。そうした場合は無理に渡さず、「Thank you」と笑顔で伝えることが最もスマートな対応です。
気をつけたいチップのマナー
日本ではチップ文化がほとんど存在しないため、ドバイでのチップ対応に戸惑うこともあるかもしれません。ここでは、特に気をつけたいポイントを整理します。
渡し方にもマナーがある
チップを渡す際は、感謝の言葉を添えて直接手渡しするのが基本です。レストランなどではテーブルに置いたり会計ボードに挟んでも問題ありませんが、無言で渡すのは避けましょう。イスラム文化圏では、左手で物を渡すのは失礼とされているため、右手で渡すのがマナーです。
現地通貨で渡すのがベター
チップは現地通貨(AED:ディルハム)で渡すのが基本です。日本円や米ドルは受け取ってもらえない場合があります。事前に少額紙幣やコインを準備しておくと安心です。
さいごに
ドバイでのチップは義務ではありませんが、サービスへの感謝を示す「気持ち」として大切な存在です。無理に高額なチップを渡す必要はなく、状況に応じてスマートに対応することが、現地での良好な人間関係を築く鍵となります。
日本と文化が異なる部分も多いですが、だからこそ、こうした細かいマナーを知っておくことで、ドバイでの生活はより快適で楽しいものになるでしょう。ドバイ生活での不安や気になること、ご質問などあればいつでも下記よりお問い合わせください。

